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190年16日~20日『これでオマエも魔導師になれるってワケだ』



16日。
妊娠が発覚してからこっち、食事は毎日エルに頼りっきりだ。
悪阻が酷くて夜も碌に眠れないから、朝起きるのがどうしてもしんどくってね……。エルだって、アタシがトイレに起きる度に連れ添ってくれてるし、同じくらい眠れてない筈なんだけど……朝は何でもないように、いつもの明るい笑顔で挨拶してくれる。
……仕方ないこととはいえ、なんだか申し訳ないよ。だからせめて、食材の調達くらいはしないとね。

「とは言っても……うぷっ……」

吐き気が容赦なく邪魔してきやがる。……場所と時間問わずにコレだ、ほんと厄介だよ……。

「どうしたの?」


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「あぁ……アントワーヌか。……フギでも釣ろうと思って出てきたんだけどさ、どうにも、吐き気が……う゛っ、」
「フギね。釣ってくるわ」
「は? いや、別にアタシは、」
「あなたは家で休んでて」

それだけ言って、アントワーヌはさっさと行っちまった。
……ノリーといい、アイツといい、何だってああも即決で人の為に行動すんだろうねぇ……。
でもまぁ、今の状態が状態だから、素直に有り難いよ。アントワーヌの言った通り、家に帰って横になってよう……。


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190年11日~15日『……妊娠、したみたいなんだよ……』



11日。
二日酔いで気分が悪いわ地味に腰が痛いわで、起きるのに時間くってたら朝飯の支度をエルが買って出てくれた。
こうなっちまった原因の半分はエルのせいだとはいえ、なるべく朝飯はアタシが用意してやりたいと思ってンだけどねぇ……やっぱり、その、嫁なワケだしさ? ……碌なモン作れやしないだろうけど。


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「よっしゃ、こんなもんかねェ。姐さん、お待ち遠さまでごぜぇやす!」
「ん……ありがとう」

いい匂いだ。なんだか急に腹が減ってきたよ。


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190年9日、10日『……アタシだって、今、凄く幸せだ』



9日。

結局昨夜は、よく眠れなかった。
だけど頭ン中は、妙に冴えてる。

「……いよいよ、か」

―――この、アタシが。
まさか、結婚する日がくるだなんて。

「本当に。……人生ってのは、どう転ぶか分からないモンだ」



良くも
悪くも
コロコロと、目まぐるしく転がる。

転がり続ける。

ああ、
これだから、
人生は面白いんだ。






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190年6日~8日『……明日から、オマエたちの娘になるんだし、さ』



6日。
ハールの庭園へ続く階段を下りようとしたところで、後ろから駆けてきたヴィヴィアンに声を掛けられた。


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明日、か。特に予定もないし、まぁ、構わないよ。

「今日もこれからデートなの?」
「あぁ。昨日の夜更けに、わざわざアタシん家にまで誘いに来やがってさ。アタシが寝てたってお構いないしなんだ、ったく……時間くらい選べってんだよ」
「でもOKしちゃう辺り、キリエちゃんも彼には弱いのかしら?」
「そんなこと……、ある、かも……」
「ふふふ」

なんだかんだで、アイツには甘いって自覚は……ちょっと、あるし。
惚れた弱みってヤツかねぇ……。


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190年1日~5日『そのままじゃ食中りで最悪死んじまうよ!』



190年、1日。


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昨夜エールを呑む量を控えめにしといたお蔭か、数年振りに二日酔いしないでスッキリ起きれた。
来年は……エルと一緒に、新年を迎えるコトになるんだね。……想像してみたら、胸が温かくなってきたよ。

「……結婚式、待ち遠しいな……」

気を抜いてる時は、こんなふうにポロッと素直な言葉が出てくる。

……ほんと。
アタシも随分、柔くなったもんだ。


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189年26日~30日『そろそろ奥義を覚えてみないかい?』



26日。
今日もエルと、川辺の広場でデートだ。
婚約してからこっち、エルのヤツはやたらと将来のコトについて語りたがる。特に……子供のコトを想像しながら話してる時は、本当に、凄く幸せそうで。
……そんなだからアタシもつい釣られちまって、幸せな未来ってヤツを一緒に思い描いちまうんだ。


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「姐さん、今日の弁当は何をこさえてきて下すったんで?」
「……一応、ジャムパン……の、つもりなんだけど……」
「へへェ! こんな真っ黒いジャムパン、おいらぁ初めてだァ!」
「わ、悪かったね! だから期待はすんなって言ったんだよ、そんなモン別に無理して食わなくても……」
「いただきやす!」
「あっ」

……満面の笑顔で、エルは失敗したジャムパンを食ってる。
ひょっとして、見てくれは最悪だけど味はちゃんと……?

「……どうだい?」
「パンの割にゃあ、やたらガリガリして歯応えがありまさァ!」
「う……あ、味は……?」
「例えんなら、そうさなァ……木炭ってとこでござんすかね!」
「もくたん……」
「したが、ちゃあんと食えますぜ!」

……そんなモン食えんのはオマエくらいだろ……。
……取り敢えず、一口……………

「ぅ゛えっ! まっずい……!」


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189年21日~25日『オマエが突然妙なコト言うからだろっ』



21日。
そういや今日は、ワレリーの誕生日だ。プリンでも持って、祝いに行ってやろうかね。
……ついでにエルにも会いたいしさ。

「おッ! 今日はいい日だぁなァ! 朝から姐さんが訪ねて来て下さるたァ!」


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丁度外出しようとしてたらしいエルが、アタシの姿を見付けるやいなや、満面の笑みで玄関から飛び出して駆け付けてきた。
そのまま自然な流れで、抱き締められてキスされる。……大体予想はしてたけど、熱烈な歓迎だねぇ。


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